食べること 呼吸すること そして生きること

秋の香り、もう1つあった。
街路に落ちた銀杏の実が、踏みつぶされたあのオエオエな臭い・・・(苦笑)

自分のやるべきことが少し落ち着いたので、
最近は、よくマスターのお見舞いに行くことにしています。

容態が突然変わった時は、どうやらお薬との相性が悪く意識朦朧となっていたようです。
今は少し落ち着いているとはいえ、相変わらず弱々しい。


先日は、夕食前でした。
看護師さんが、ベッドを起こし、スプーンで口に運んでくれるドロドロを飲み込む、という作業。
でもうまく呑み込めない。
お水さえも、とろみを付けなければ危険。
痰がからんでも、咳払いは弱々しい。

嚥下機能が、と簡単に言うけれど…

食べることは、ただ栄養を摂取するだけではなく、
アゴや舌を動かし、唾液を出し、食道を通って粘膜を刺激し、
内臓すべてをフル活動させる。道筋は違うけれど呼吸もそう。
すごい全身運動なんです。
そういうことがおろそかにされることが悲しい。
人は、いつでも未知数。
何かがきっかけでどこからか元気になれるかもしれない。
マスター、口元や手先を元気にしたら、感覚がちょっと戻るのでは??
ドクターが、診回りに来られたらいつも
「たたき起こして、大きな声で話しかけてあげてください」とおっしゃる意味はこれか?

これでも介護予防運動指導士の端くれ。予防じゃなくて真っ最中だけどね。
目が半分しか開いていないマスターにもわかるように、私、必死で
顔をクシャクシャにしたりアッカンベーしたりアエイウエオアオ~と言ったり、
独り変顔大会ですよ(汗
「マスタ~、私と同じことやったら、美味しいご飯食べられるし、いやな吸引もされなくて済みますよ~~、
やってやって~」
しばらくすると、一緒にまねしてくれるマスター!
「やった!」(「クララが立った!」の心境!!)
しばらく続けていると、声も出てきて、目ヂカラも出てきた。
そうね、口は脳に近いからね!
ただ・・・・入れ歯をしていないマスター。単語はいいのですが、文章だと何をいっているのかわからない。
さんざん喋らせたあげく
「マスター、何をいっているのかわからないから、もうちょっと滑舌頑張って~」と
 お願いしたら「はぁ?今頃ぉ~?」みたいな表情で、自分で自分の歯を触ったんです!
入れ歯を確認したんでしょう。
確認した後に「やっぱり・・・」みたな顔をしていました(苦笑)

それからジャンケンもしたし、腕相撲もしたし、歌も歌いました。
「楽しいから、今日は病院に泊まろうかなぁ~」って言ったら
ハハハと笑って「よかよ」と言ってくれました(笑)
優しくなったなぁ、マスター…

最初はゲホゲホしていたマスターですが、
帰るころには、呼吸も楽そうで、地獄の痰吸引からも逃れられたようです。
看護師さんがそういわれていたので間違いないです。

私はというと、
相変わらず制約だらけの食生活。
繊維のあるものは、ミキサーでドロドロにする。
これはなかなか面白かったオクラのドロドロ。
お豆腐の味噌汁にオン!
 見た目はヤバい(笑)

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